日本最北端の駅といえば、言わずと知れた北海道の「稚内駅」だ。
ただこの「稚内駅」もそのポジションをいつまで維持できるか微妙な状態になっている。
JR北海道が発表した道内の路線の収支係数の悪化が進んでいる。
今後バス路線に切り替える論議が始まるのが留萌線の深川駅-留萌駅間、札沼線の北海道医療大学駅-新十津川駅間、根室本線の富良野駅-新得間駅だ。
こんなことを言ったら地元の方に怒られてしまうが、留萌線と札沼線の北海道医療大学駅-新十津川間駅については中間地点ではない。
ところが根室本線の富良野駅-新得駅間は本線の一部区間だ。
もちろん根室本線に入る特急電車はすべて石勝線経由なのでJR北海道側の判断は正しいとは思うが、一鉄道ファンからすると本線が分断される事は寂しい。
でも話はこれで終わらない。
次にJR北海道は輸送密度が200~2000人未満の線区で「鉄道を維持する仕組みについて相談を開始します」というまわりくどい表現を始めた路線を挙げた。
つまるところこの路線についても「廃止を検討させてください」という事だ。
その中には最東端に向かって進む根室本線の釧路駅-根室駅間。
北東の主要都市「網走駅」に向かって走る石北線の新旭川駅-網走駅間の全線。
そしてその網走駅から釧路駅に向かう釧網線の東釧路駅-網走駅間の全線。
そしてドラマで有名になった富良野駅から旭川駅を結ぶ富良野線の旭川駅-富良野駅間全線。
そして宗谷本線の名寄駅-稚内駅間なども含まれている。
もしこのまま廃止論議が進んでしまうと日本の最北端の駅は「名寄駅」になる可能性がある。
これは由々しき問題。
JR北海道の赤字の要因はいろいろと考えられるが、やはり一番の要因は自動車だろう。
また札幌への一極集中も問題だ。
実際、採算があっている路線は札幌周辺にしかない。
特に「最〇端の駅」と言われるところは国境(実際には海で目に見える国境はないが)に面した街でもある。
この赤字路線については国防上の問題からも廃止にしてはいけない。
国が経営するかもしくは隣接するJR東日本などが支援すべきだと思う。
そもそもJR民営化の際に北海道と四国の単独経営は難しかったように思われる。
前述のJR北海道の廃止予定をまともに実施してしまうとあの富良野にも、網走にも、そして根室にも駅が無くなる事になる。
感情論だけで経営が出来ないのはわかる。
ただ自分は大好きな北海道の駅になんとか存続して欲しいと思う今日この頃だ。