「西瀬戸自動車道」という道をご存じだろうか?
中国地方にお住まいの方はピンとくる方もいるだろうが、それ以外の地域の方はあまりピンとは来ないのではないだろうか?
本州と四国を結ぶ「本州四国連絡道路」は3線ある。
「神戸・鳴門ルート(神戸淡路鳴門自動車道)」、「児島・坂出ルート(瀬戸中央自動車道)」でもっとも西寄りにあるのが「尾道・今治ルート(西瀬戸自動車道)」だ。
その「西瀬戸自動車道」は西瀬戸自動車道周辺地域振興協議会が公募した愛称「しまなみ海道」のほうが知名度があるようだ。
「しまなみ海道」は広島県尾道市の尾道福山自動車道(国道2号松永道路)の西瀬戸尾道ICを起点に、向島-因島-生口島-大三島-伯方島-大島などを経由して愛媛県今治市を終点とする延長59.4kmの自動車道路だ。
一車線の対面通行区間が多く安全面や輸送面には多少の難を感じるが、愛称「しまなみ海道」に負けない風光明媚で快適な道路だ。
ちなみに側道にはサイクリングルートも完備されており、ミシュランやCNNなど海外メディアからも高評価を得ている。
さて話を起点の尾道に戻そう。
尾道市は広島県に属する人口およそ13万人の街だ。
1898年広島県で二番目に市制を施行した歴史がある。
「映画の街」として知られ古くは小津安二郎監督の「東京物語」が撮影された。
また大林宣彦監督の「転校生」、「時をかける少女」、「さびしんぼう」も尾道を舞台に撮影され「尾道三部作」とされている。
特に「転校生」の男の子と女の子が石段を転がり落ちるシーンは市内の「御袖天満宮」の石段で現在流行の「聖地巡礼(映画やアニメのシーンに登場する名所を訪れる事)」の走りになった所だ。
尾道の魅力といえば瀬戸内海に浮かぶ「向島」との間にある「尾道水道」だ。
本州側の海岸線から僅か2~300mしかない。
先日、今治の造船所から服役囚が逃亡して話題になったところだ。
フェリーが頻繁に往来しており本州側とは完全に生活圏を同じくしている。
お奨めは千光寺公園にある展望台だ。
先ほど向島も含めて尾道水道を一望できる。
自動車でもあがっていく事ができるしロープウェイも通っている。
しまなみ海道を走る際にはぜひこの尾道市内の観光も1セットで組まれると良い。
そうそう「尾道ラーメン」という人気グルメも忘れてはいけない。
「しまなみ海道」は日本がまだまだ広いと思わせてくれる海道だ。