あなたの家ではスーパーマーケットで購入した食材のうち何割程度を完全に消費しているだろうか?
たぶんに100%と答えられる人がいないのではないだろうか?
一般消費者の購入動機のうち、「直近の献立に想定されているアイテム」と「いつ食べるかわからないけどとりあえず購入しておくアイテム」があるだろう。
そのとりあえず購入しておくものが「食品ロス」として廃棄される事になる。
平成29年の農水省のデータにおいても、「消費・賞味期限内に食べられなかった」ものが70.5%、「購入後、冷蔵庫や保管場所に入れたまま存在を忘れてしまった」が61.1%とこの二つの要因が突出している。(複数回答可)
この流通網がしっかりして商品が店頭に溢れるている日本で冷蔵庫の中身を忘れてしまうほどの買い物することに驚くばかりだ。
以前あるメーカーの人に聞いた事ある。
マーケティング上では人々が廃棄する量まで計算に入っているらしい。
「飽食の時代」と言われて久しいが、人々は日々廃棄するために食品を購入している事になる。
日本では年間1700万トンの食品が廃棄されており世界でもトップクラスの数字だ。
そのうち40%は事業系、60%が家庭系の廃棄だ。
事業系の食品廃棄で問題になっているのがコンビニの恵方巻きだ。
フランチャイズといえ独立している経営者は本来、自店で仕入れる恵方巻きの数量を自分で決定する事ができる。
そこに本部の意向が働き、昨年対比の数%増しの数字を要求していくる。
しぶしぶ経営者のその数字を受け入れるが、競合する他店も似たような数字を用意しているため、相乗効果で売れ残りが生じる。
賞味期限を迎えると経営者はアルバイトやパートさんに購入をお願いするのだが、これには限界がある。
これで結局、大量の恵方巻きは廃棄となる。
廃棄ロスは経営者の負担となり本部は知らんぷりなのだ。
この手の事はコンビニでは日常茶飯事だ。
それはコンビニ店舗運営において重要となる「機会損失」を避けるためだ。
「もし商品があったならこれだけの売上と利益を確保していた」
欠品はコンビニにではあってはいけない事なのだ。
そもそもコンビニにおける「昨年の数字」をあてにならないものはない。
近隣にはライバル店が競合してくるし、下手をすると同チェーンの店が近隣にできている場合もあるからだ。
POSデータはコンビニの商品手配の指標のなる数字をはじき出す。
ただこれだけコンビニが飽和状態になるとこの数字もあてにならない。
このコンビニにから生まれる商品ロスに対応するには一枚のPOPがあれば良い。
難しくもなんともない。
「売り切れ御免」と書いておけば良いのだ。