若者から流行する言葉にはその意図が読めないものが多い。
自分達の頃でさえ「ゲロゲロ」という言葉が流行っていたが、その言葉の意味さえも非常に抽象的でネガティブなのに笑いを求めるている不思議な言葉だった。
さて「マジ卍」はもちろん「まじまんじ」と呼ぶのだが、その意味は我々シニアには想像もつかない深い意味なのだ。
ちなみに「マジ」に関しては「本当に?」という意味合いで使っているシニアもいると思うが、この「マジ卍」の「マジ」は単なるその意味合いではないようだ。
どちらかというと「マジ卍」で単体の捉え方をしている。大方の意味合いとしては、「(不良やヤンキーなどが)調子にのっている」とか写真の掛け声、そして先ほどの「ゲロゲロ」と同じようにかなり守備範囲の広い感嘆符として、接続詞と機能していると思われる。
使い方として「あいつはマジ卍だから」とかシャッターを押す際に「マジマンジ―」とか、「今日の化粧はマジ卍」とか、つまるところ喜怒哀楽を表わす万能言葉というところだろうか?
まあ従来の日本語にもこのような万能言葉は結構ある。
たとえば「どうも」だ。
この言葉を英訳するのは非常に難しいと聞いたことがある。
「有り難う」の意味もあれば、「たぶん」の意味合いもある。
普段から感謝の言葉として「あ!どうも」を連発する人も見かける。
営業をしている人だと「まいど」を挨拶変わりに使っているが、これもビジネス上の万能言葉だ。
本来の意味は「毎度どうもお世話になります」だが、「お早うございます」「商売どうですか?」「また注文くださいね」ぐらいの意味合いを兼ねている。
話を戻すとシニアの方がいたずらに「マジ卍」を使うのは止めたほうが良いだろう。
ただ意味合いだけは知っておくだけでも世間の流行もわかるというものだ。
自分は若い世代がこのような言葉を作る事に危惧もしていない。
むしろ時代が変わっているんだなと思う。
言葉は生き物。
この状況を苦々しく思われているシニアの方は、若き日の青春時代を思い返せばよい。
そこには「かみなり族」、「スーダラ節」、「ガチョーン」があり、当時のシニアからも苦々しく思われたはずだ。
まわりの若者が「マジ卍」と言っている時は、喜怒哀楽の感情をまわりに発信しているんだと思えば、多少理解できたのではないか?
しかし本当に今の若者たちはマジ卍だ。